ステビア

南米の植物

 ステビア(学名:Stevia rebaudiana)は、パラグアイ原産の野草でキク科の多年草。草丈は50cmから1m前後。灌漑の下で、条件が良ければ年4回の収穫が可能。

 植物学者モイセス・ベルトーニにより1899年再発見されたステビアは、日本、韓国、台湾、南米各国で天然の甘味料として利用されている。この甘味料としての利用は、1970年以降、ステビアの主成分であるステビオサイド(Steviosido)の抽出、苦み成分の除去技術が日本で相次いで開発されたことにより、その使用が拡大した。

 ステビアは、自然甘味料として日本ではなじみが深いが、国際的にはあまり認められていない。日本で甘味料として使われたはじめたのは、1970年代。当時一般に使われていた合成甘味料「チクロ」が発がん性の疑いから使用中止となり、それに代わる自然甘味料が求められていたが、1971年、守田化学工業がステビアの苦み成分を取り除く技術を世界で初めて開発したことに起因している。

 ステビアの甘味成分の主要なものとして苦みのあるステビオサイド(西語:(Steviosido)、第2成分として苦みのないレバウディオサイドA(西語:rebaudiosido A)といった配糖体を含むが、自然植生では、ステビオサイドが圧倒的主要成分である。
 日本企業が苦み成分を除去する精製方法を開発し、あるいは、苦み成分のない第2成分を高含有する品種の開発を行い、それぞれ特許を取得し、この分野では世界最高水準の技術を持っている。

 ステビアの甘味成分は、人体では吸収できない多糖類のため、カロリーはゼロ。このことから、ダイエット飲料に多く使われている。

 砂糖を含め甘味料は国民の必需品であることから、その確保には政治的な要素が深く関わっている。Wikiに記載されている米国におけるロビー活動とは、日本で禁止されているサッカリンの米国の製造企業によるものである。

 ステビアの危険性(発がん性、避妊性)についてのさまざまな風評が流されたが、研究者によって全て否定されている。
  2007 年6月、 アメリカの大手食品メーカーコカコーラとカーギルが、ステビア甘味料の販売を行うことを発表した。2008年6月、FAOとWHOによる食品添加物専門家会議であるECFAにおいて、最高ランクの安全性を意味する「ADI」が設定され正式なステビア甘味料としての規格が定められ、国際的にステビアの安全性が認められた。
 ステビア甘味料はステビアの葉を用いるが、ステビアの茎の部分を原料とした農業資材や化粧品への応用もされている。ステビアを農業資材として使うステビア農法によって生産された農作物は、抗アレルギー性食品、あるいは日持ちの良い作物として、一部の市場では高い評価を得ている。

 収穫期のステビア  花が咲く前に収穫を行う。

ステビアの収穫後処理: 収穫した葉は、天日で乾燥。その後、シートをたたみ、棒でたたいて葉の部分を分離させる。以前は、残った茎の部分は捨てられていたが、現在では、農業資材等として利用される(この効能はあまり知られていない)。

ステビアの種子

ステビアの乾燥葉

【撮影】Ⓒ Nekoshi、パラグアイ

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